Reef Check2004Part2
今回のリーフチェックは、またまた新しく集まってくれた一般ボランティアダイバーと、シマンチュ
ダイバーも新メンバーが増え、総数23名のダイバーが与論島の北側のポイントの定点調査を
行いました。また今回のより調査ラインの設置用の目印を、今までの倍にすることにより、調査の
精度がかなり高くなると思われます。また昨年秋のリーフチェックでご協力をいただいた野島先生
より、サンゴの卵を採取する「着床板」を提供していただくことができ、1ダイブ目に練習で潜った
「海中宮殿ポイント」に参加者全員で設置することができました。結果が分かるのは1年以後に
なるそうですが、来年のリーフチェックにはみんなで様子を見にいけるといいなぁと思っています。
梅雨明けしたんじゃない?と、思わせるとっても良いお天気でした。
リーフチェック与論2006Part1日程
       開催日: 前日ミーティング 2006/6/16(金)与論島防災センター3F
            : 調査日        2006/6/17(土)茶花漁港・北西沖
            : 結果報告会    2006/6/17(土)与論島防災センター3F

参加者:総数23名(島外ボランティアダイバー9名 チームサイエンティスト1名 島内ダイバー13名)

当日のコンディション: 天候/晴れ 西の風やや強し 気温/24℃ 水温/28℃ 波・うねり/少々

※今回も初めて参加されるボランティアダイバーが方が多く、午前中1ダイブ目が練習ダイブとし
2ダイブ目を浅場・深場共 一度に調査を行い、お昼過ぎで調査ダイブを終了しました。
魚類(生息数)
水深 5m 12m
実施年 06 05 04 03 02 01 00 06 05 04 03 02 01 00
チョウチョウウオ科 3 13 8 7 9 12 - 4 6 11 15 8 6 -
イサキ科 0 0 0 0 0 0 - 0 0 0 0 0 0 -
フエダイ科 0 0 0 0 0 0 - 0 0 0 0 0 0 -
サラサハタ 0 0 0 0 0 0 - 0 0 0 1 0 0 -
ハタ類(30cm以上) 0 0 0 0 0 0 - 0 0 3 0 0 0 -
メガネモチノウオ 0 0 0 0 0 0 - 0 0 0 0 0 0 -
カンムリブダイ 0 0 0 0 0 0 - 0 0 0 0 0 0 -
その他のブダイ科(20cm) 4 11 16 3 9 8 - 2 11 13 0 0 5 -
ウツボ 0 0 1 0 0 0 - 0 0 1 1 0 0 -
無脊椎動物(生息数)
水深 5m 12m
実施年 06 05 04 03 02 01 00 06 05 04 03 02 01 00
オトヒメエビ 2 0 0 0 2 0 - 3 0 4 1 0 0 -
ガンガゼ属 269 2 0 1 4 4 - 21 2 2 8 6 10 -
パイプウニ 11 16 2 19 16 7 - 0 1 1 2 3 4 -
食用ナマコ 0 0 1 0 0 0 - 0 0 0 1 0 0 -
オニヒトデ 0 2 0 0 1 0 - 0 0 0 0 1 1 -
シャコガイ属 20 10 3 22 14 5 - 5 10 8 2 5 2 -
シラヒゲウニ 0 0 0 - - - - 0 0 0 - - - -
ホラガイ 1 0 0 1 0 0 - 0 0 1 0 0 0 -
イセエビ属 2 0 0 0 0 0 - 0 0 0 0 0 0 -
底質(被覆率%)
分類 5m 12m
実施年 06 05 04 03  02 01 00 06 05 04 03  02 01 00
ハードコーラル(HC) 9.5 7 13 2 4 3 - 12 13 19 13 9 6 -
ソフトコーラル(SC) 2 2 3 2 1 1 - 1.5 2 1 4 1 2 -
最近死んだサンゴ(RKC) 0.5 0 0 1 0 0 - 0 1 0 1 0 0 -
富栄養価指標藻類(NIA) 4 5 4 0 6 2 - 30 32 43 28 16 24 -
海綿(SP) 0 0 1 0 0 0 - 1.5 0 0 0 0 0 -
岩(RC) 80 85 78 84 80 86 - 47 44 29 44 69 41 -
礫(RB) 0 0 0 3 1 0 - 4 1 0 4 1 5 -
砂(SD) 1.5 1 0 8 7 9 - 4 7 7 5 4 23 -
シルト(SI) 0 0 0 0 0 0 - 0 0 0 0 0 0 -
その他(OT) 2.5 0 0 0 0 0 - 0 0 0 1 0 0 -
気になる今回の調査結果は・・・
今回の調査結果より考えられること
魚類    浅場・深場ともに例年より若干ではあるけれど、減少傾向にありました。調査を担当する
       ダイバーの見方にもよりますが、測定誤差の範囲内であると考えられます。
       但し、測定者からの報告で、ビデオ撮影を担当した者が測定者の前に位置し、測定を
       開始するまでに時間をおかなければいけない状態であったらしいです。もしかすると
       その影響もあった為、調査結果の減少傾向につながったことも考えられます。今後
       ビデオおよびカメラの影担当者に、しっかり周知する必要性を感じました。

無脊椎   一部の調査結果を除き、各調査項目の数値は、多少の増減はあるものの問題ない
       範囲でありました。しかしガンガゼ類(特に浅場)の数値は異常な増加を示しています。
       これはガンガゼ類に良く似ているタワシウニとの誤同定(間違え計測してしまうこと)が
       原因と考えられ、過去にも数回の誤同定がありました。これは主催者側が測定者に
       しっかり周知していなかったことが大きな原因であり、今後このようなミスが無いように
       主催者側の徹底した周知が必要であることを感じました。(イントラレベルでも間違える
       ことが過去にもありました。下の解説入りの写真をご参照ください。)

底質    ここ数年、底質の全ての分類において大きく数値の変化は無く、状況としては安定して
       いると考えて問題ないと思われます。しかしサンゴ(ハードコーラル)の被覆率が依然と
       して上がっていないことも気になるところです。世界的に起こった「サンゴの白化現象」
       10年近く過ぎ、このポイントを調査し始めてから6回目となる現在でも依然状況が変化
       が無いのも、何か原因があるのではと考えてしまいます。しかし、ごく小振りのサンゴが
       目に付くのも事実であり、計測ポイントに定着していないだけで調査結果に反映されて
       いないのかも知れません。サンゴの成育に悪影響を与えない生活を心掛け、現状を
       見守り続けることも必要があるようにも感じました。
間違えやすいので注意しよう!タワシウニとガンガゼ類の違い。
また、今回もチームサイエンティストとして参加していただいた、入川暁之氏より、与論島の海で気に
なることが起きつつあるとの発言がありました。それはサンゴを餌とする「レイシガイ」の仲間が大発生
する可能性が大きいとのことでした。記録によると与論島では過去に2回ほど「レイシガイ」の仲間の
大発生によりサンゴに大きなダメージを与えたことがあるとのこと。サンゴの状態が良いとは言えない
現在、これ以上サンゴにダメージを与える要因を増やすことはできないと思われます。レイシガイの発生
状況も見守りつつ、必要に応じて駆除も行わなければいけないと考えられます。
レイシガイの大発生の注意を促す入川氏と、サザナミサンゴに食害をもたらしているレイシガイの仲間
さらに今回、前回チームサイエンティストの1人として参加していただいた、野島先生よりサンゴの着床
板を譲っていただくことができ、参加者各々が思い思いの目印をつけ、海中宮殿ポイントに水中ボンド
で設置することができました。全ての着床板にサンゴの卵が着床し、育っていくのを楽しみに見守り続け
たいと思います。
2006年6月に与論島に集まってくれた皆さんです。
しっかり事前説明会にも参加し、明日の準備はバッチリです!!
そして調査日当日。正確なデータ取りを心掛け、でも楽しみながら調査を進めました。
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そして次回のリーフチェックは、いよいよ潜水堂が当番店として開催となります。皆さんのバックアップ
体制もしっかり整えてお待ちしておりますので、多くのボランティアダイバーが集まってくださることを
楽しみにお待ちしていますね。今までに無いような企画も用意していますよ!! 与論の海の明るい
未来を信じつつ、皆さんと一緒に調査ができれば嬉しいです。皆さまのお越しを心よりお待ちしております。
調査終了後のお楽しみも忘れずに! いろんな意見交換もできる懇親会も楽しみの1つです。
自分の目印をつける参加者と、海中宮殿ポイントの10m付近に水中ボンドで設置された着床板