Reef Check2007Part2
開催日: 前日ミーティング 2007/11/16(金)与論島防災センター3F
     : 調査日       2007/11/17(土)供利漁港南東沖(通称名:ひょうたん島)

参加者: 総数17名(内、島外ボランティアダイバー6名 島内ダイバー11名)

当日のコンディション: 天候/曇り 北の風弱 気温/24℃  
               水温/25℃  波・うねり/弱~やや強

結果報告会:         2007/11/17(土))与論島防災センター3F
魚類(生息数)
分類/水深 5m 12m
実施年 07 06 05 04 03 02 01 00 07 06 05 04 03 02 01 00
チョウチョウウオ科 21 16 28 11 7 16 27 0 19 15 26 23 27 22 31 36
イサキ科 0 0 0 0 0 1 0 1 0 0 1 0 0 0 0 0
フエダイ科 0 0 0 0 0 2 0 0 0 0 0 3 0 0 0 0
サラサハタ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0
ハタ類 (30cm以上) 1 0 0 0 0 0 0 2 3 0 0 0 0 0 1 0
メガネモチノウオ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
カンムリブダイ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
その他のブダイ科 (20cm) 1 6 12 1 3 8 16 0 18 1 4 11 7 5 5 0
ウツボ 2 0 1 1 0 1 3 - 1 0 0 1 1 0 0 -
無脊椎動物(生息数)
分類/水深 5m 10m
実施年 07 06 05 04 03 02 01 00 07 06 05 04 03 02 01 00
オトヒメエビ 3 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0
ガンガゼ属 22 21 23 2 0 0 21 10 10 10 9 5 5 1 3 0
パイプウニ 13 8 10 0 7 8 3 4 4 1 1 0 0 1 0 0
食用ナマコ (バイカナマコ等) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 1
オニヒトデ 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0
シャコガイ属         2 4 12 6 12 6 12 10 5 7 9 17 12 13 10 10
シラヒゲウニ 0 0 0 0 0 - - - 0 0 0 0 0 - - -
ホラガイ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
イセエビ属 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
底質(被覆率%)
分類/水深 5m 10m
実施年 07 06 05 04 03 02 01 00 07 06 05 04 03 02 01 00
ハードコーラル (HC) 18 17 21 23 15 21 20 20 21 21 29 22 37 23 41 38
ソフトコーラル (SC) 0 1 3 3 1 1 0 3 0 0 0 0 1 1 2 1
最近死んだサンゴ (RKC) 1.5 0 0 0 0 1 0 1 0.6 2 5 0 1 1 2 1
富栄養価指標藻類 (NIA) 4.4 4 3 1 4 4 4 3 10 9 3 8 12 2 7 2
海綿 (SP) 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 2
岩 (RC) 72 75 70 71 83 73 74 72 61.5 75 59 59 45 69 44 53
礫 (RB) 1 1 1 0 0 0 0 1 1.9 4 2 5 2 1 1 3
砂 (SD) 0.6 1 1 2 0 1 1 1 3.8 1 2 6 3 3 2 1
シルト (SI) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0
その他 (OT) 2.5 1 1 0 0 1 1 0 1.2 1 0 0 0 1 0
今回は島外ボランティアダイバーの参加人数が、若干少なかったものの
島内のスタッフレベルのダイバーが3名も新たに参加することとなりました。
今後、多くのボランティアダイバーが見えられた時に、新たな戦力となって
くれるはずです。皆さんも期待してくださいね。
今回の調査結果を見てみると・・・
折れ線グラフにしてみると・・・
魚類
チョウチョウウオの数が増減を繰り返しながら、徐々に減少しているか?
                  ⇓
サンゴの被覆度が横ばい・減少のため、魚の餌になるものや隠れ家となる場所の減少が原因か?

無脊椎生物
ガンガゼが増加した状態が続いている。
                  ⇓
ガンガゼの餌になる海藻類の増加が原因の可能性がある。
                  ⇓
環境の大きな変化・海の水質変化等が原因か?
底質
リーフチェックを始めて以来、サンゴの被覆度が低い状態が続いている
                   ⇓
サンゴの成長を阻害する原因があるのだろうか?

やや大きめのサンゴや数年前に着床したと思われるサンゴ、またはサンゴモに食跡と思われる
白化が目立って見受けられる。
                   ⇓
レイシガイやオニヒトデの幼生は夜行性であり、とても小さいものも多く、日中に発見および
駆除が困難なものも多い。
                   ⇓
生態系の変化を促す環境の変化が原因か?
着床して3年ほど経ったと思われる幼サンゴ
真っ白くなっているのは、オニヒトデの幼生による
食害。夜行性のため見つけるのが困難。
部分的に白くなっているのはレイシガイの仲間に
よる食害。
小さいものは5mm以下でサンゴの隙間
から駆除をするのが困難。
写真③・右寄りの紫色の物体が、サンゴモに覆われている岩であるが、部分的に白くなっている
ところがオニヒトデの幼生による食痕である。また写真①状態の幼サンゴが、調査ポイントに
目立って見え始めているのも現状である。この状態が続くと、せっかく定着した幼サンゴが育ち
きらないうちに死んでしまう。また、将来的にオニヒトデの大量発生が懸念されるとの、専門家の
意見もあった。また写真②のような、レイシガイの被害も多く見受けられるが、サンゴの隙間に
入っている小さなレイシガイは、サンゴを傷つけず駆除することはかなり困難である。

サンゴモがオニヒトデの幼生によって食害の影響を
受けている様子。
調査終了。この調査内容が、今後の活動に役立ちます。
水底に集合して、いよいよ調査開始です。
調査を終えて、考えられること

上記のような、諸問題が新たに浮上して来ました。またチームサイエンティストから「サンゴの
被覆度が若干低下しているかも知れない。」という言葉も聞くことになってしまいました。しかし
リーフチェックをしていなければ、このような現実を知ることはできなかったのではと思います。
この調査が、今後の対応や対策のきっかけ作りになることを期待します。
また私たちも新たな活動を始めなくてはと、考えずにはいられませんでした。

与論島では年明け早々、サンゴの増殖に関する実験が始まり、その活動に我々ダイビング
事業者も協力する予定です。今後衰退していくかもしれないサンゴを守る活動も、もちろん大切

かも知れませんが、サンゴなどの生育環境を崩さないような、日々の生活が1番大切なの
では?と思います。
皆さんは環境にやさしいことを、何かやっていますか?
身近なことから1つずつ。でも、その積み重ねが1番大切なのではないかと思います。
事前ミーティングで、調査方法をしっかり確認。
水底に張り付くように、生息数を確認しています。
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町民も参加して、調査結果を聞いています。
今回も調査に参加してくださった皆さん。本当にありがとうございました。
ご覧の通りの曇り空。皆さんご苦労様でした。